現代のラーメンブームをつくったとされる「浅草 来々軒(あさくさ らいらいけん)」が14日から新横浜ラーメン博物館で復活、営業を開始する。その開業復活に先駆けて9日、報道陣に公開され、来々軒創業者の尾崎貫一さんの孫高橋邦夫さんも初めて食べて「この味なら合格です」とお墨付きを出した。

来々軒は1910年(明43)に浅草で開業した。脂っこくて強いラードのにおいのしたラーメンの原型となる南京めん(当時は塩味)を改良して、スープに日本人の好むしょうゆを使用してあっさりと仕上げた。

麺もコクの強い「赤ボウズ」という小麦を使って製麺されていたことが当時の新聞などから判明した。具材のチャーシューとメンマも素材とつくり方を調べあげた。

特に麺は日清製粉の社内文書なども引っ張り出して「赤ボウズ」にもっとも近い「さとのそら」という小麦からうどんに近い食感でかつ、のどごしのいいつるんとした麺ができあがった。あったりとした当時、大人気だった1杯に近づけ「らうめん」として販売する。

経営はしょうゆラーメンにこだわる故佐野実さんの「支那そばや」が監修し、厳選された当時しかなかった材料で、約1年かけてつくりあげた。創業者から5代目となる玄孫(やしゃご)高橋雄作さんが経営にも参画するが、将来的には浅草での出店にこだわる。雄作さんは「プレッシャーはあります。ラー博では3年の約束での出店。出店場所もうっすらと見ています。もう逃げられませんね」とらうめんをすすって笑顔をみせた。【寺沢卓】