牛丼チェーン「すき家」が29日、港区の本社で試食会を開催し、「鍋のテークアウト」という新たな生活習慣の提案を発表した。11月4日から冬の定番商品「牛すき焼き鍋定食」(780円)を発売する。他にも「キムチーズ牛すき焼き鍋定食」(890円)「麻辣牛火鍋定食」(840円)「あさり牛火鍋定食」(940円)の合計4種のラインアップを取りそろえた。

同社では14年から鍋定食を発売しているが、テークアウトは初めて。これまで、電子レンジで温められる鍋定食はあったものの、火力で温められる鍋定食は業界でも初めて。専用容器は、こんろやIH調理器など、直接火にかけることができる。自宅でグツグツと煮立つのを待つ約2分間が、最高の調味料になるとの狙いだ。

新型コロナウイルスの影響で忘年会の自粛も続き、在宅の時間も増加している。家で食べる「プチぜいたく」を提供したいと考案されたのが鍋のテークアウトだった。グループCC部・小林泰久部長は「鍋は日本の冬の食文化を代表するもの。忘年会自粛もありますが、形を変えてでも守っていきたい。鍋のテークアウトに踏み込みました。コロナで特別な今年の冬、ご自宅で鍋を召し上がっていただきたい。電子レンジで温めるのではなく、火力による煮込み感、アツアツ感にこだわりました。フーフー言いながら食べるのが鍋の醍醐味(だいごみ)です。それをご家庭でも味わっていただきたい」と話した。

販促部WEB課の安宅真弓課長は「牛すき鍋定食は、鍋専用で厚くスライスした肉と、厚労省の目標値である1日あたりの野菜摂取量の半分に当たるたっぷり野菜が特徴です。2018年から肉と野菜を25%増量してます。卵も2個。さまざまな使い方で楽しんで欲しい」とアピールした。(価格は並盛り、税込み)