東京都の小池百合子都知事は16日、来日中の国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長の表敬訪問を都庁で受け、「安心、安全な東京五輪」開催への決意を同会長に直接示した。

同知事は1920年ベルギー・アントワープオリンピック(五輪)が、スペイン風邪の世界的な流行後に成功したことを挙げ「アントワープ大会はスペイン風邪に打ち勝ったあとの大会として記憶に残っている。2020東京大会もウイルスに打ち勝った大会として開きたい」。「第3波」で新規感染者が全国的に増えている状況ではあるが、東京都および日本全体で最善を尽くしている現況も報告した。

また、コロナ禍の中でも、テニスの全米オープン、全仏オープンなどで日本人選手が活躍したことや、今月に日本で体操の国際大会が開催されてAI(人工知能)も活用されたことなどにも触れた。「スポーツは人々を熱くさせる素晴らしいもの。安心、安全な運営をすることが世界の皆さまにとって重要だということを、私自身感じております」。簡素化を含めた新たな五輪モデルを示し、成功させることを誓った。

バッハ会長も「連携して協力することが大事」と共闘を約束した。「まだ9カ月もある。今は道具箱を用意している段階。想像出来るすべてのことに備えて、万が一のことがあったとしても適した道具を活用出来るようにしたい」。コロナ禍のワクチン開発、提供にも期待を寄せ、「我々は一丸となって努力を続ければ、必ずやトンネルの出口を聖火が照らしてくれるだろう。2021年7月23日に聖火を東京で見ることが出来ることを楽しみにしています」と願った。