新型コロナウイルス感染拡大原因の1つとされる「乾燥」を防止するための対策グッズとして、加湿器の需要が急増している。

3連休最終日の23日も、家電量販店は盛況。ビックカメラ池袋本店の担当者は「衛生観念の意識向上で9月までも順調でしたが、10月以降は大幅に伸びて弊社全体で前年同月の3倍の売り上げです」と、説明した。

スチーム式、ハイブリッド式、気化式、超音波式の大きく4つに分類され、大きさ、性能などは多種多様だ。中でも、在宅ワークなど個人活動が増えたコロナ時代を象徴するのが、小型卓上タイプの“おひとりさま用”。デザイン家電に力を入れるアピックスインターナショナル広報担当者は「働き方が変わる中、パーソナルタイプの新商品を増やしました」。昨年好調だった商品も含め、売り上げは2倍という。上からも給水可能な商品を販売するシャープの広報担当者は「重くて水の交換が大変でしたが、女性やお子さまでも簡単です」と、話した。

企業や研究者からは、湿度40%~60%程度が飛沫(ひまつ)環境の抑制に最適という声も出ている。一方、長崎大大学院医歯薬学総合研究科の迎寛氏は「加湿は良いことですが、こまめに清掃して使わないと、増殖した菌やカビが空気中に広がり、感染症やアレルギーを起こす可能性もある」と助言する。適材適所の使用が、効果アップにつながりそうだ。【鎌田直秀】