日刊スポーツの取材に、菅義偉首相が追悼のコメントを寄せた。子どものころから釣り好きだった菅氏は矢口高雄さんと同じ秋田県南部出身で同郷だった。16年10月に秋田空港出発ロビーに矢口さん原画の大型陶板レリーフ「釣りキチ三平・山魚女(ヤマメ)群泳」が掲げられ、除幕式には菅氏も矢口さんとともに出席するなど親交があった。菅氏は「釣りキチ三平」を「不朽の名作」と評している。

   ◇   ◇   ◇

矢口先生とは、数年前、芸術や文化について語り合う座談会でご一緒させていただきました。突然のご訃報に、ただ驚いております。同じ秋田出身であることに親近感を覚えるとともに、先生の飽くなき好奇心と高いご見識に大変感服したことが、昨日のことのように思い出されます。

先生の代表作である「釣りキチ三平」は、秋田をはじめ、日本中の美しい自然を舞台にした躍動感あふれる作品で、まさに「不朽の名作」と言えましょう。当時の釣りブームのきっかけともなりました。

私も大の釣り好きで、少年時代は、映画のロケ地にもなった役内川で渓流釣りに明け暮れました。矢口先生に感じていた親近感と懐かしさは、このような私の少年時代の思い出にも由来するのでしょう。

矢口先生が残された輝かしいご功績に敬意を表すとともに、心からの哀悼の意をお捧げします。

内閣総理大臣

自由民主党総裁

菅 義偉