サッカー元日本代表の巻誠一郎氏(40)が5日、オンラインでのスポーツボランティアサミットで講演した。自身の故郷で発生した16年4月の熊本地震をきっかけに、ボランティア活動に尽力し、現在はNPO法人ユアアクションの理事などとして復興支援活動中。

新型コロナウイルス感染拡大を鑑み、「現在は県外や遠くにはなかなか入れないので、(熊本県の)自宅近くの地域で活動しています。今後、僕が考えているのは、スポーツだったり、飲食する仲間、趣味など、身近なコミュニティーの中で災害やボランティアの情報を盛り込んでいきながら、いざという時の準備をしていこうと思っています」。直接足を運ぶ活動出来る状況が回復するまでは、災害などの緊急事態での対応や、ボランティア活動など、意識向上の普及活動にも力を入れていくことを誓った。

同サミットでは、「Re Start!! もう一度、踏み出そう」と題し、松岡修造らのモノマネでも有名な芸人こにわ(38)が司会を務めて、スポーツボランティア再開に関するディスカッションも行われた。来年2月28日に予定されている湘南国際マラソンの感染防止対策などの詳細も明かされた。参加ランナー各個人が専用ペットボトルを持って走り、約80メートルごとに12リットルのタンク数個が設置された給水所で給水。スタート地点や時間をずらしたり、コースに自動車専用道路を使用することなどで、選手、ボランティア、沿道の観客などとの密も防ぐ、新たなマラソン開催像に、賛同の声も多かった。

サミットの最後には元ラグビー日本代表で、現在は東芝の普及担当を努める大野均氏(42)が、ビデオメッセージで参加した。「19年ラグビーW杯を成功に導いてくれたのは、スポーツボランティアの方々のおかげ。みんなが笑顔で日本人、外国人、分け隔てなく対応していただいていた場面が印象に残っている。日本を好きになっていただけたとも思います」。ボランティアの重要さや感謝の意も言葉にし、スポーツイベントの本格再開も願った。