神奈川県座間市のアパートで2017年に男女9人の切断遺体が見つかった事件で強盗強制性交殺人などの罪に問われた白石隆浩被告(30=無職)の裁判員裁判判決公判が15日、東京地裁立川支部(矢野直邦裁判長)で開かれ、求刑通り、死刑判決が言い渡された。白石被告の弁護人は判決後に「控訴を検討する。被告が控訴しない意向を示したとしても、弁護人として控訴する可能性はある」と述べた。

《白石被告に死刑判決》

若狭勝弁護士(元東京地検特捜部副部長) 控訴の申し立てを1審の弁護人が行うことはできる。上訴期限は2週間なので、それまでに控訴手続きをすれば、高裁の場に移り、新たな弁護人が選任され、控訴審が始まることになります。

ただし、被告人が心底、固い意思で「絶対に控訴しない」「刑に服します」ということを明示している場合、その気持ちに反して控訴の手続きはできず、刑は確定します。また2審で選任された弁護人も被告人の意思に反して、控訴審を戦うことはできないと思う。

被告人が「控訴しない」という意思表示が、あいまいなものだとすれば、弁護団としては死刑判決なので慎重を期するためにとりあえず、控訴しておこう、ということはありえる。弁護団はおそらく、死刑判決に対し、1審だけじゃなく、高裁の判断を仰ぎたい、1審で確定させてはいけない、という思いを持っている可能性はある。