コロナ禍での国会議員の会食に厳しい視線が向けられる中、自民党は8日、二階俊博幹事長名で文書を発出し、飲食を伴う会合への参加を控えるなどの対応を取るよう、党所属国会議員に呼びかけた。

文書では、7日に1都3県に緊急事態宣言が出されたことを踏まえ、飲食の際に生じる感染リスクを抑え込むことが「感染収束には不可欠です」と指摘。午後8時以降の不要不急の外出の自粛徹底も求めている。

コロナ禍での国会議員の活動をめぐっては、立憲民主党も7日、福山哲郎幹事長名での文書を発出。街頭演説や集会の開催を控えることのほか、「飲酒の有無にかかわらず夜の会食はお控え下さい」、と記されている。国民民主党は7日、所属議員の会食を伴う会合を原則禁止すると発表している。

国会では当初、与野党が協議して会食のあり方のルールづくりを進めることで合意し、「4人以下で午後8時まで」との案も出ていた。

しかし、日本医師会の中川俊男会長が6日の会見で、国会議員でも夜の会食を「全面自粛」するよう要請。「まずは隗(かい)より始めよ、です」と、踏み込んでいた。

国民が夜の会食自粛を求められる中、自主的な自粛に踏み込めない「永田町の論理」への批判が強まり、与野党のルールづくりは一転、見送られていた。