新型コロナウイルス対策で批判を浴びる菅義偉首相が連日の謝罪に追い込まれた。

与党幹部が緊急事態宣言下の深夜に飲食店を訪れていた問題が明らかになり、27日、身内の不祥事を参院予算委員会で陳謝した。前日26日も医療体制の不備について謝罪したばかり。立憲民主党の蓮舫代表代行の追及に怒りをにじませ、即座に反論するなど、冷静さを欠く場面もあった。

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追及にさらされる菅首相が、連日の陳謝となった。衆参予算委員会3日目の27日は、政界の「マツジュン」こと、自民党の松本純国対委員長代理と、公明党の遠山清彦幹事長代理が緊急事態宣言下の深夜に東京・銀座のクラブで飲食していたことが明らかになった。

松本氏は18日、遠山氏は22日に深夜のクラブ飲食をしたことを認めて謝罪したが、身内の不祥事に平謝りするしかない。立憲民主党の徳永エリ参院議員から「自分たちは守らないで国民のみなさんに要請をして、守らないと罰則を科す。めちゃくちゃじゃ、ないですか。この2人の不適切な行動に対して厳格な処分を下すべき」と迫られた。

菅首相は「このような事態が発生したことについては大変、申し訳なく思います」などと陳謝したが、立憲民主党の蓮舫氏から「その程度ですか」と、重ねて追及されて「国民のみなさんに正直、申し訳ない」と再び、謝罪した。

質疑で新型コロナウイルス感染で自宅療養、宿泊療養中の死亡者が昨年12月1日から今年1月25日までに12都府県で計29人と公表された。菅首相は「大変、申し訳ない思いです」と述べたが、蓮舫氏の「口撃」は止まらない。「もう少し、言葉ありませんか。そんな答弁だから言葉が伝わらない。そんなメッセージだから、国民に危機感が伝わらないんですよ。あなたには総理としての自覚や責任感を言葉で伝えようとする、そういう思いはあるんですか」と強く非難した。

さすがに菅首相も珍しく冷静さを欠き、「失礼じゃないでしょうか」と、キレたような口調で反論。「私は昨年9月に総理大臣に就任してから、1日も早い安心を取り戻したい。その思いで全力で取り組んできた」と、声を絞り出した。内閣全閣僚が出席するきょうの総括質疑でも野党追及が続きそうだ。【大上悟】