1月31日投開票の埼玉県戸田市議会議員選挙に初当選したスーパークレイジー君氏（34＝本名・西本誠）が8日、初の本会議出席のため初登庁した。

歌手やダンサー、銀座のクラブ店長などの経歴を持ち、未成年時には暴走行為などで少年院に送致された経験もある異色な存在。昨年の東京都知事選の出馬時を含め、金髪に特攻服姿で選挙活動を行ってきたが、この日は黒髪に染め、紺色のスーツに紫のネクタイを締めて、初日を迎えた。

報道陣の取材に応じ、「常に初心でガンガンやって、何でも覚えてていきたい。緊張の気持ちもありますけれど、負けたくない気持ちもある。注目を集めていることを武器に結果を出していきたい。名前とか髪の毛の色とか服装とかではなく、中身が重要だと思っている」と心境を明かした。議員バッジを渡されると、すぐに左胸につけた。議員出退表示器の「スーパークレイジー君」のボタンを押して点灯させると笑顔もあふれた。

午前10時からの本会議では、議長から「スーパークレイジー君議員」と指名を受け、「スーパークレイジー君と申します。よろしくお願いいたします」とあいさつし、頭を下げた。

各派代表者会議にも「スーパークレイジー君党」の党首として出席。通称で議員登録する申請をしていたため議論がなされたが、全会一致で「異議なし」。だが、議会などで呼ばれる略称に関しては各議員からの意見が白熱した。通常は姓をとって「○○議員」「●●委員」などと呼ばれるが、最初は「クレイジー君で良いのでは？」との意見が出た。ある議員からは「クレイジーが最初に来ると議員の立場上、社会的にも疑問が残る。スーパー君はどうでしょう」。違う議員からは「君がつけば少し柔らかくなるからクレイジー君でも良いのでは」の意見も。さらに「選挙で有権者に支持された名前なのだからスーパークレイジー君のフルで良いと思う。姓も名もない」など議論は約10分。最終的には「本人の意思を尊重」という結論に至り、「スーパークレイジー君議員」と呼ばれることが正式に決まった。

今後に関しては「議員秘書などやっていた方などもいるが、畑が違う僕しか出来ないこともある。義理人情じゃないですが、困った人を助けたいし、市民から24時間頼られる議員になりたい。今回の選挙も子どもたちが応援してくれて、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さんたちに投票を願ってくれた感謝もある。お金がなくて習い事が出来ない子もいたりするので、事務所などを使って、頭が良い人を呼んで勉強を教えてもらったり、悩みを相談出来たりする場所を作りたい」と“寺子屋”構想も披露。「今までやってきた歌を歌ったりを求められれば、時と場合を考えて、特攻服を着て歌っていくこともしたい。漫画になるくらいの破天荒な議員になりたいと思っています」と所信表明した。【鎌田直秀】