将棋の藤井聡太2冠(18)が9日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた第79期順位戦B級2組で窪田義行七段(48)を下した。

8連勝で単独トップだった藤井はこれで9連勝。最終局(3月10日)を待たずに昇級条件の3位以内を確定させ、B級1組昇級を決めた。「勝って決めることができて良かった」と、ホッとした表情を見せた。

対局を見ていた加藤一二三・九段(81)は「窪田さんの四間飛車対策を練りに練ってきた感じ。自陣の構築から攻めへのギアチェンジが見事」と話した。

順位戦は1年1期、昇級枠に入れば1クラス上がるリーグ戦。藤井はデビュー2年目の18年度、C級1組で唯一の黒星が響いて足踏みした。ほかはすべて勝利し、順位戦通算38勝1敗。確実に昇級している。

来年度B級1組を突破すれば、22年度は最上級のA級だ。その成績最上位者が名人戦挑戦者となる。藤井は最短で23年春に実現可能。21歳2カ月で史上最年少名人となった谷川浩司九段(58)の記録を更新できるのか。藤井は「まず、B級1組でどれくらい戦えるかが大事。安定した力が試される。力をつけて戦いたい」と話した。【赤塚辰浩】