東京都の繁華街や飲食店では、小池氏が「午後8時以降、街灯以外の消灯をお願いする」と述べたことに対して、波紋が広がった。

新宿・歌舞伎町商店街振興組合の城克事務局長は「歌舞伎町一番街の大きなネオンを消したら感染は止まるのか」と疑問視した。「歌舞伎町は特殊な街で、きちんと自粛している飲食店もあれば、一部で深夜まで営業している風俗店もあり、混在している。ネオンを消しても来る人は来る」と語った。その上で、小池氏に対し「1年前に夜の街を止めると名指しで目の敵にしていた。知事は筋が通っていない」と語気を強めた。「知事が直接『消してください』と言いに来れば検討する」と主張した。

飲食店は政府の対応の遅さに嘆いた。港区・新橋の飲食店根室食堂の店主は「協力金が生活の安心のよりどころなのに、2月の分すらもらっていない。3月は申請すら始まっていない」と吐露した。「定食やテークアウトに力を入れようとしても支払いがなければどうしようもできない」と語った。

24時間営業の新橋駅付近のコンビニエンスストアでは午後8時以降に店の看板を消灯するかについて「現状では分からない。本部から連絡があったら消すかもしれない」と話した。【沢田直人】