和歌山県田辺市の資産家で、多くの女性と交際をした過去をつづった著書が話題となって「紀州のドン・ファン」と呼ばれた酒類販売会社の元社長、野崎幸助さん(当時77歳)に18年、多量の覚醒剤を摂取させて殺害したとして、県警は28日、殺人と覚醒剤取締法違反の疑いで、妻だった須藤早貴容疑者(25)を逮捕した。野崎さんが覚醒剤中毒で変死してから約3年。捜査は急展開した。

田辺市の野崎さんの自宅には逮捕を受け、多数の報道陣が集まった。近所に住む女性によると、野崎さんが亡くなってからは、田辺市の関係者が庭の芝生を刈りにくるぐらいで、ほとんど人の出入りはなかったという。逮捕の一報に女性は「驚きはない」と話した。

田辺市にある野崎さんが経営していた会社は人影もなく、ひっそり。近所に住む男性は「事件解明に向けて、1歩進んでよかった」と話した。