横浜市戸塚区のアパートから逃げ出した体長約3・5メートル、体重約13キロのアミメニシキヘビ捜索は13日、新たに「おびき寄せ作戦」を決行した。行方不明になった6日以降は目撃情報すらない状況。現状打破へ、日本爬虫(はちゅう)類両生類協会の白輪剛史理事長らが協力し、普段与えているエサ用の死んだネズミを置いた約30×20センチのケースを設置。白輪氏は「ごく近場にはいると思う。1週間たっても、まったく姿が見えないのは不思議。人が探すのではなく、おびき寄せる方法をとります」と説明した。

置き場所は、飼い主と相談して5カ所に決めた。1つ目は「敷地内にいる可能性も高い」アパート脇の植え込み。2つ目は「暗くて隠れられる」もっとも近い場所にある排水溝。3つ目は「竹の根元など葉に潜りこむ習性がある」隣接した竹林の脇。4つ目は「倉庫や資材など潜む場所がたくさんある」約30メートル離れた民家の軒先。最後は「側溝などを伝って生ける水場」の約50メートル先の名瀬川だ。

「あとはヘビ次第。嗅覚は鋭く、舌を出して臭いを感知しているんです。夜行性なので昼間はなかなか難しいかもしれませんが、朝までに、臭いに誘われて出てきてくれるかどうか…」と期待。14日朝まで15度を下回る寒さが続く。東南アジアの熱帯雨林に生息する高温多湿を好む性質から、暖かい天候になる長期戦も覚悟した。

警察、消防、市職員、ボランティア、報道陣にユーチューバーまで、約50人が集まったヘビ騒動。名瀬川に注ぐ下水道に“ヘビ跡”も目撃情報が入り、現場に急行する場面もあった。市の動物愛護センター職員とともに確認したが、「(体の太さと同じ)10センチ幅の這ったあとのようなものがあったのですが、ちょっと違う気がする」と判断。念のため、網目状のネットで覆った。

飼い主も「わらにもすがる思いです。正直、もっと早く見つかると思っていたが、皆さんに大変ご心配をかけてしまって、申し訳ない気持ちです」。新作戦で即捕獲とはならなかったが、県警も捜索継続を決定し、ヘビーな総力戦は続く。【鎌田直秀】