横浜市戸塚区のアパートからアミメニシキヘビ(体長約3・5メートル、体重約13キロ)が逃げ出してから16日目を迎えた21日、神奈川県警戸塚署は捜索打ち切りを決めた。今後も市民らの目撃情報などが届き次第、迅速に対応する態勢は整える。

飼い主から行方不明の通報が届いた6日以降、のべ約300人を動員。災害時に行方不明者捜索に使用するファイバースコープなども使用してきたが難航している。この日も警察官13人らが飼い主宅から約300メートル内を雨の中で捜索したが、動いた痕跡などを含めて発見出来なかった。戸塚区役所職員も周辺住宅を1軒ずつ訪問し、自宅内の倉庫や物陰などの捜索協力を呼びかけ、注意も促した。横浜市動物愛護センター職員は月末まで継続する。

次の一手は。ヘビを中心に爬虫(はちゅう)類行動学などを研究している京大理学研究科の森哲(あきら)准教授(57)は「熱帯にすむヘビなので、気温が上がる時期を待つことも1つ」。梅雨明けまで待つことを提言した。活動的になるのは30度近くのため、現在の気温は低すぎる。「遠くには行っていないと思う。もしかしたら、かなり太い木の上の方で居場所を見つけているのかもしれない。人間が見つけられないような深い穴のような場所の奥に入って、じっと耐えている可能性もある」と推測した。

方法に関しては“おびき寄せ作戦第2弾”を提案。「震動には敏感なので、静かに捜すことも必要。エサを入れたワナを仕掛けるのも良い。人間が獣くさいと思うような臭いが空気中に流れるように」。13日から17日までの“第1弾”は普段食べていたエサ用の死んだネズミを使ったが、さらに大きな動物のほうが効果は増すと言う。

ヘビの深層心理は分からないが、人間と同じく夏になって開放的な気分になることを願おう。【鎌田直秀】