立憲民主党の枝野幸男代表がバースデーの定例会見で、1度はさやに収めた刃を再び、ちらつかせた。31日、57歳の誕生日を迎えた枝野代表は、16日が会期末となる国会の開会中に内閣不信任決議案を提出する「可能性はゼロではない」と明言した。
枝野代表は10日、「現状は衆議院を解散できる状況ではなく、決議案の提出はできないと思っている」と新型コロナ対策を最優先として、衆院解散の引き金となる刃を一端、収めた。
内閣不信任決議案提出の動きに対し、菅義偉首相は「決議案が提出されれば、衆議院を解散する可能性がある」と強くけん制した。菅首相の後ろ盾である二階俊博幹事長も「不信任案を出してきた場合、直ちに解散で立ち向かうべきだ、と菅義偉首相に進言したい」と、打って出る構えだ。
枝野代表は19日に「今の時点では緊急事態宣言の解除が1つの目安になる」と内閣不信任決議案提出の可能性に含みを残した。状況は変化しつつある。「このままだと、緊急事態宣言は出てるか、出てないかにかかわらず、ほぼ同じような感染状況の中で、いずれにしろ選挙せざるを得ない状況になりつつある。10日の判断と大分、違っている」とした。その上で「だとしたら、早く選挙をやって、しっかりとした体制を作った方が感染抑制のためにもいい、という要素が強まっている」とした。
9日には2019年6月以来、2年ぶりに党首討論が予定されている。枝野代表は国会の会期延長や新型コロナ対策の補正予算の審議、東京五輪・パラリンピックの開催可否などで論戦に臨む、とみられる。だが、菅首相の答弁次第では内閣不信任決議案提出に動く事態もあり得る。
枝野発言の波紋は、政界に「さざ波」から一転、「大波」を引き起こしかねない。内閣不信任決議案が出されれば、菅首相は20日に解除期限の緊急事態宣言下で衆院解散に踏み切る可能性はある。有力視された10月の任期満了直前の追い込まれ解散から、東京都議選(25日告示、7月4日投開票)とのダブル選挙案も再浮上するなど、政局前夜の様相だ。【大上悟】

