将棋の最年少タイトルホルダー、藤井聡太王位(棋聖=18)が豊島将之竜王(叡王=31)の挑戦を受ける、第62期王位戦7番勝負第1局が6月29、30の両日、名古屋市の名古屋能楽堂で行われ、104手で後手の豊島が先勝した。黒星スタートの藤井は、先に開幕した棋聖戦とのダブル防衛を目指す。第2局は7月13、14日に北海道旭川市で行われる。

終盤、若き王位が何度もうなだれた。1日目が終了した時点ではほぼ互角。互いに1歩も引かず、端を攻め合う強気な応酬が繰り広げられたが、2日目に抜け出したのは豊島だった。緻密な読みで完全にペースを握り、正確な指し回しでリードを広げる。藤井は相手の緩みのない攻めにジリジリと追い詰められ、持ち前の終盤力を封じ込められた。

終局後、2日目の攻防について藤井は「正確に攻められて、かなり苦しくなってしまった。玉(の守り)が薄いので、粘り方が難しかった」と完敗を認めた。

これで豊島との公式戦の対戦成績は1勝7敗。タイトル戦通算成績は9勝2敗となり、連勝は6で止まった。ともに愛知県出身で、ほぼ一回り年上の先輩が大きな壁として立ちはだかる。

7月25日に始まる叡王戦5番勝負では、豊島に挑戦することが決まっている。2つのタイトル戦で最大12局を指す「真夏の12番勝負」は完敗スタートとなったが、「本局は早い時間の終局になってしまったので、第2局以降は熱戦にできるように頑張ります」。まだ先は長い。【松浦隆司】

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