東京五輪の無観客開催決定が相次ぐ中、サッカー競技が行われる茨城・カシマスタジアムでは、学校教育の一環として観戦する「学校連携観戦プログラム」のみの“有観客”で実施する。茨城県の大井川和彦知事(57)が8日に表明。同会場では全11試合が行われるが、昼間開催の男女1次ラウンド3試合を対象。鹿嶋市など県内23校の小、中、高校で約4000枚の申し込みがある。

10日、カシマスタジアムに隣接する卜伝の郷運動公園ではラグビーなどでスポーツを楽しむ姿があった。鹿嶋市立鹿島小学校に通い、観戦希望を出している児童を持つ女性は「25日の予定です。子どもたちにとっては貴重な思い出になります」と歓迎した。「お母さん仲間と話していると、1度は不参加で出したけれど、無観客開催なら参加させたいという人もいる。そのあたりのフォローをしていただけるとありがたい」。希望を募ったのは、人数制限をした上での有観客開催で進んでいた時期。大会直前の状況変化に戸惑っている父母もいると言う。

さらに改善点もある。学校に集合し、バスで来場するが、感染予防の観点から一般客入場より早い会場入りが設定されていた。「試合開始直前だと、コロナの影響は、より減りそう」。詳細に関しては、週明け以降に検討される見込みだ。

会場近くのJA農産物販売店の従業員も「鹿嶋はサッカーの街。子どもたちがオリンピックがどんなものかを感じられるのは一生ものの経験」。一方で「どうしても店に来る車のナンバーを見てしまう。やっぱりコロナは怖い。まだワクチンを打っている人も少ないので」と人の流れを心配する声もある。【鎌田直秀】