菅義偉首相が6日に行われた広島の原爆死没者慰霊式・平和祈念式のあいさつで、「わが国は核兵器の非人道性をどの国よりもよく理解する唯一の戦争被爆国」などの部分を読み飛ばした問題は、式の模様を生中継したNHKの画面に予定されたあいさつ文のテロップが流れていたことで、視聴者にリアルタイムでバレバレとなる結果になった。

生中継は午前8時にスタートした。首相のあいさつが始まった後、首相の言葉とテロップの言葉が矛盾する時間があり、テロップ表示が一時、止まる場面も。「(国連総会の場で)日本は『核兵器のない世界』の実現に向けて力を尽くすと世界に発信しました」の部分も、完全な形では読まれなかったとみられる。

インターネット上では「読み飛ばし」が、トレンドワード1位に。首相は、国会答弁でも原稿の棒読みが指摘される。SNSでは「暗記しろ」「人間、誰しも間違うことはありますが、間違ってはいけない場面というのもあります」などの厳しい批判が出ている。

首相は式終了後、現地で行った会見で読み飛ばしを認め、謝罪した。