菅義偉首相(72)が、またも原爆式典で失態を演じた。

9日、菅首相は長崎市の平和公園で開かれた「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」に1分間遅刻した。式典開始の午前10時45分に着席が間に合わず、式典が始まった同46分に着席した。菅首相は、この日午前に羽田空港から長崎空港に到着も、空港出発が数分遅れた。被爆者団体からは批判の声が広がっている。

6日、広島市の「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」では、原稿の約1ページ分を読み飛ばし、被爆者団体などから抗議の声が広がった。今回は読み飛ばしこそなかったが、菅首相の姿勢が問われる事態となった。

菅首相は式典後の会見で8日閉幕の東京五輪について「開催国としての責任を果たせて、無事終えることができた。選手の皆さんが大活躍し、素晴らしい大会になった。スポーツから感動をもらった。ありがとうと申し上げたい」などと満足顔を見せた。

だが、五輪開催中も新型コロナウイルスの感染急拡大が止まらない。「今週からお盆だ。変異株でかつてない感染拡大が続いており、極めて大事な時期だと思っている。不要不急の外出を控え、帰省、旅行も極力避けてほしい」とした。失態が続く中、五輪の成果を強調しながらの自粛要請の訴えは、果たして国民に届くだろうか。【大上悟】