藤井聡太王位(棋聖=19)が竜王戦初挑戦まであと1勝とした。12日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた第34期竜王戦挑戦者決定戦3番勝負第1局で、先手の永瀬拓矢王座(28)を午後11時36分、184手もの激戦の末に下し、先勝した。

永瀬の9手目先手7八飛と、約11年ぶりに採用した三間飛車に意表を突かれた。その後、お互いに穴熊に囲い合った。「経験のない将棋で手探りのところが多かった」と振り返る。じっくり戦機をうかがう展開から終盤、リードを保って押し切った。

第2局は今月30日、同所で行われる。「全力を尽くして指せれば」と、特に意識はしていない。藤井が連勝すれば、豊島将之竜王(叡王=31)への挑戦権を獲得すると同時に、現在進行している王位戦7番勝負、叡王戦争5番勝負に次いで、竜王戦7番勝負を争うことになる。最大19番にも及ぶ頂上対決が実現する。