長崎を元気に! 長雨被害が続いている長崎県への思いを込めて、東京・中央区の長崎県アンテナショップ「日本橋長崎館」では、県の名物カステラ、ちゃんぽん、皿うどんなどの商品販売で、現地に力を与える。

佐藤智仁館長(48)は「長崎出身者の東京五輪金メダル、長崎商の甲子園勝利なども県民の方にとってはうれしいニュース。長崎の方に頑張ってもらえる1つになれるよう盛り上げたい」。地元企業や生産者とも直接やりとりする機会が多く、商品もすでに延着傾向で被害の大きさを実感している。支援のために募金箱設置なども検討している。

コロナの感染拡大も重なり、機動的な動きにも制限がかかる。佐藤館長は「本来は発信にとどまらず、長崎に行ってほしい、移住してほしいという前段階の役割。食品や酒などを気に入ってもらうことから始まる」。2年前の夏と比べれば、客足は約5割。休業も考えたが「長崎に帰ることが出来ない人に、地元を感じてほしい」という。

父が長崎出身の20代女性は母と訪れ、県産ゆずこしょうに加え「皿うどんなどにはこれです。とてもおいしいんです」と「金蝶ソース」を購入し、笑顔があふれた。30代男性も「お盆は実家に帰らなかったけれど(16日の)長崎商の69年ぶり甲子園勝利を見て、なんだが長崎が恋しくなった。地元は豪雨被害もあるので、売り上げが伸びれば地元も潤うとも思って来ました」。イチ推しは「かまぼこをつまみに焼酎」だと家路を急いだ。それぞれの形で、故郷の活力を願う。【鎌田直秀】