将棋の最年少2冠、藤井聡太王位(棋聖=19)が豊島将之叡王(竜王=31)に挑戦している、第6期叡王戦5番勝第4局が22日、名古屋市「名古屋東急ホテル」で行われ、先手の豊島が藤井を破り、シリーズ成績を2勝2敗のタイに戻した。以下は、「ひふみん」こと加藤一二三・九段(81)の「ひふみんアイ」です。

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初めて見る珍しい形でしたが、豊島さんがうまく指しました。ひそかに研究していた作戦でしょう。いい戦法を開発して、大きな1勝を挙げました。藤井さんの後手9三桂(38手目)をかえって重荷にした先手7九金(41手目)が好手で、ポイントを稼ぎました。

それと、飛車交換の後に先手9一飛(65手目)と打ち込んでから、後手7七角成(74手目)に先手9七龍と引いた構想には気付きませんでした。金と龍が7~9筋でにらみを利かせたため、さすがの藤井さんもお手上げだったでしょう。

お互いに先手番で2勝ずつしての第5局。振り駒が大きく左右しますが、豊島さんが先手なら新境地を開いた第4局の作戦を再度、使うでしょう。