自民党の石破茂幹事長が内閣改造を前に、安倍晋三首相からの安保法制担当相の打診を受けず、幹事長続投を希望すると明言したことに26日、批判が強まりだした。首相周辺は「幹事長が公の場で人事の希望を言うなど前代未聞」と突き放し、脇雅史参院幹事長も会見で、「個人の見識があるのは当然だが、内閣、組織の意向に従うのが常識だ」と苦言を呈した。

石破氏は会見で、安保担当相以外の打診も受けない意向を示唆。首相は幹事長を交代させる方針で、石破氏の無役は確実。その場合、来年首相が再選を目指す総裁選に出馬する可能性があるとして、「石破の乱つぶし」へ、首相が早期の衆院解散・総選挙に打って出るとの観測が出始めた。野党の選挙協力も整っておらず、安倍自民党が勝って長期政権へのめどがつけば、「石破氏の出る幕はなくなる」(関係者)ためだ。26日の役員会で、首相と石破氏は隣同士で着席。首相は、執行部側が9月2日と把握していた党役員人事を、内閣改造と同じ3日に行う考えを表明、足並みの乱れを露呈した。