将棋の史上最年少3冠、藤井聡太王位・叡王・棋聖(19)が27日、大阪市の関西将棋会館で行われた第71期王将戦挑戦者決定リーグ1回戦で、糸谷哲郎八段(32)を82手で破り、リーグ初戦で白星発進を決めた。

戦型は両者得意の角換わり。中盤から激しい攻め合いになり、終盤にリードを広げた藤井が鮮やかに寄せきった。

終局後、藤井は「こちらの玉が薄く、しのげるかという展開でしたが、玉が広いので寄りづらい形を保てれば何とか余せそうかなと思っていました」と振り返った。白星発進には「いいスタートが切れた。上を目指していければ」と話した。

第71期王将戦挑戦者決定リーグは、渡辺明王将への挑戦権を争う7人の総当たり戦。藤井、糸谷の他に豊島将之竜王、永瀬拓矢王座、羽生善治九段、広瀬章人八段、近藤誠也七段が参加する。史上初めて10代での「3冠」を達成した藤井は挑戦を決めている竜王戦7番勝負(10月8日開幕)で豊島と戦う。竜王のタイトルを獲得すれば、最年少4冠となる。さらに3期連続の挑戦となる同リーグで挑戦権を獲得し、1月から始まる王将戦7番勝負を制すれば、年度内5冠を達成することになる。