毎年、最下位争いに注目が集まる「都道府県魅力度ランキング」が9日に発表され、栃木県は昨年の雪辱を果たし最下位を脱出、41位となった。福田富一知事は「地域資源の磨き上げや情報発信に積極的に取り組むことでブランド力向上を図りたい」とコメント。順位には触れなかったが、県の魅力の発信に芸能人を活用するなど、積極アピールが功を奏した。最下位は再び茨城県となった。

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ランキングを発表しているブランド総合研究所によると、栃木県は「とても魅力的」の回答が20年の3・4%から5・1%に増加。「やや魅力的」も15・9%から22・2%へと増えた。新型コロナの影響で、20年は全国的に自然豊かな地域や温泉地などが伸びた。美術館や博物館、神社仏閣などの室内の観光地が敬遠されたが、その後は密対策などが普及し、抵抗が薄れていったという。田中章雄社長は栃木県について「日光東照宮という強い地位資源が、大きくコロナの影響を受けたことで、前回は順位を下げ、今回は回復したと思う」と分析した。その上で「栃木の潜在力や地域資源を考えると、あまりに低い。日光や那須などの観光資源が『栃木県』と連想させることが必要ではないか」とコメントした。

栃木県の福田知事は昨年の結果判明後に田中氏の元に直談判。回答者数を増やすなど、調査方法の改善を要望していた。また、県は20年11月に「47(そこ)から始まる栃木県プロジェクト」と題した魅力を発信する計画をスタートさせた。バスケットボールBリーグ1部(B1)の宇都宮ブレックスの田臥勇太やタレントの井上咲楽などが「とちぎ未来大使」として栃木の魅力を語る動画を配信。関西地方での認知や幅広い世代からの人気獲得を目的に、栃木県出身ではない、お笑いトリオ3時のヒロインが、県内の観光スポットを“女子旅”する動画も制作した。

「47(そこ)から始まる栃木県プロジェクト」で中心となって魅力を発信してきた栃木県ブランディング推進室長の舩木優子さんは「ランキングが全てではないが、やれることはどんどんやっていこうという思いです。これから紅葉のシーズンになるのでぜひ栃木に遊びに来てほしい」と呼び掛けた。栃木県出身のお笑いコンビU字工事は、ランキングの発表を受け「ガックリ落ち込むカミナリ(茨城県出身のお笑いコンビ)の2人を優しく慰めてあげました」とツイート。新型コロナが落ち着きを見せ始め、各地の魅力度の磨き上げに期待がかかる。【沢田直人】

○…「都道府県魅力度ランキング」が9日に発表され、茨城県は2年ぶりに再び最下位となった。茨城県営業戦略部プロモーションチームリーダーの谷越敦子さんは「どうしてだろうという気持ちが強いです」と困惑した様子。辺り一面がネモフィラで青く染まることで有名な「国営ひたち海浜公園」(ひたちなか市)や旬を迎える栗の収穫量が日本一であることなどが県の強みだといい「ランキングでは、本県の幅広い魅力ですとか、潜在能力は測りきれないのかなと思っています」と話した。