保守分裂か、回避か。次期衆院選(19日公示、31日投開票)の山口3区は現職の河村建夫元官房長官と、同区への鞍替え出馬を表明して参院議員を辞職した林芳正元文科相の公認を巡って、最終調整が行われている。

13日午前、甘利明幹事長は党本部で両氏と個別に会談し、意見聴取する詰めの調整でも結論には至らなかった。河村氏は「結論は出ていない。提案があったので持ち帰る」と語った。甘利氏は12日のテレビ番組で河村氏を比例代表に転出させるプランを示唆しており、提案内容が比例公認の可能性もある。林氏は「地元の事情を説明し、引き取っていただいた。(結論は)速やかに、ということだった」としたが、県議を中心に林氏を推す意見が強く、林氏が公認される公算が高くなっている。

林氏の辞職に伴う参院山口選挙区の補欠選挙(24日投開票)中で河村氏、林氏は自民党候補の応援で顔を合わせるが、共に次期衆院選をにらみ、一歩も引けない。河村氏は二階俊博前幹事長が会長の二階派NO・2、林氏も岸田派NO・2の大物幹部。党内規定では現職優先が建前だが、総裁選で岸田首相が勝利して二階氏の影響力は急落、派閥の力関係では林氏が逆転したことで複雑さを増している。公示まで残り6日。公認争いが、今後のしこりとなりかねない。【大上悟】