10月の衆院選で2~3000万円の裏金要求をされたとツイッターに投稿した自民党の泉田裕彦衆院議員(59)が1日、議員会館で会見し、裏金要求をしたのは「新潟自民党のドン」といわれる星野伊佐夫新潟県議(82)と明らかにした。

泉田氏は「選挙でお金で票を買うという行為は民主主義の土台をゆがめる」とし、自民党の高鳥修一新潟県連会長に星野氏の党員除名を求めるとした。9月4日に星野氏の自宅で金銭を要求されたといい、証拠について「約30分の音声の録音もある」と述べた。音声は一般人の名前が出てくることから「加工して準備をしてから出したい」と話した。泉田氏は当時のやりとりを振り返り、星野氏から「今日の話は誰も知らない」と言われ、世論調査で泉田氏が2位という結果を見せられたと説明。星野氏は続けて「泉田さ勝とうや。比例に引っ掛からなかったら終わりだよ。2000万や3000万もったいがったら人生終わる。いちいち警察に報告するわけじゃないんだから」との発言があったと説明した。泉田氏は19年の参院選広島選挙区を巡る買収事件を持ち出し要求を断ると、星野氏は「そんなことを言えばキリが無い。そんなのは表面の話で、そういう世界だから」と話したと明かした。

泉田氏は、要求を断った後の10月の選挙戦について「ポスターを長岡市内には貼らないと言われたり、昔から知っているウグイスさん(選挙カーのアナウンス担当)にお願いをしたら『そんなことをしたら長岡で生きていけない』と言われた」と明かした。刑事告訴するかについては「今はコメントを差し控えさせて頂く」とした。

星野氏の陣営は、裏金要求について「事実無根です」と話した。

泉田氏が出馬した新潟5区では、野党統一候補の無所属新人米山隆一氏と無所属新人の森民夫前長岡市長の3人が争った。泉田氏と森氏で自民党支持層の票が割れ、米山氏が当選。泉田氏は比例北陸信越ブロックで復活当選した。