将棋の最年少4冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・棋聖=19)が最上級のA級昇級を目指す第80期順位戦B級1組9回戦、近藤誠也七段(25)戦が2日午前10時、大阪市の関西将棋会館で始まった。B級1組は実力者が名を連ね、「鬼の住処(すみか)」の異名を持つ。藤井にとって今年最後の公式戦(テレビ未放映分除く)となる。

先後は事前に決まっており、先手の近藤は7六歩と角道を開けた。藤井はいつものようにお茶を一口飲み、心を落ち着かせてから、8四歩と飛車先の歩を突いた。戦型は角換わりに進んだ。

両者の対戦成績は藤井の5勝1敗。藤井は昨年度の前期B級2組を10連勝して昇級、前々期もC級1組で10連勝で昇級している。18年度の第77期のC級1組で近藤に敗れ、この期だけ昇級はならなかった。

B級1組は13人が所属。総当たりで戦い、上位2人がA級に昇級する。現在、藤井は7勝1敗の単独2位。7勝0敗で単独首位の佐々木勇気七段を追っている。

順位戦は最上位のA級からC級2組までの5クラスに分かれて戦い、A級の優勝者が名人挑戦者となる。藤井が谷川浩司九段(59)が持つ名人獲得の史上最年少記録(21歳2カ月)を更新するには、今期のB級1組を1期で抜け、さらにA級1期目で挑戦権を獲得し、名人のタイトルを奪取する必要がある。

持ち時間は各6時間。2日夜には決着の見込み。