大阪市北区の繁華街・北新地で17日午前に起きたビル火災。火元とみられる8階建ての堂島北ビルの4階に入るクリニックに通院している大阪市の女性(28)が室内の状況を説明し「逃げ場がなかったかもしれない」と証言した。

女性によると、4階のエレベーターを降りると、靴箱があり、その近くに受付がある。「受付の後ろはカーテンで遮断されているで室内の様子はわからない。もし受付で何かがあったとしても、診察室などからは分からない構造だった」と話した。

出入り口は1つで、他に非常口が1つあったという。「エレベータが止まったら、非常口しか逃げ道はない。非常口のドアは重たい」と証言した。

火災当時は多くの人がクリニックにいたとされるが「ソファに座って待っている人もいただろうし、カウンセリングを受けている人もいただろう。多いときは30分、1時間待ちもあった」。

この日夜に現場を訪れた女性は「みんなから大丈夫? って連絡をもらった。看護師さんや先生は大丈夫かなと思ってきたが…」と声のトーンを落とした。【松浦隆司】