日本の民間人として初めて国際宇宙ステーション(ISS)に12日間滞在した、衣類通販大手ZOZOの創業者でスタートトゥデイ社長の前澤友作氏(46)が7日、都内の日本外国特派員協会で会見を開いた。その中で、ISS滞在中の21年12月12日深夜にニッポン放送で放送された「宇宙から生放送! 前澤友作のオールナイトニッポンスペシャル」の中で今後、挑戦したい夢として口にした「マリアナ海溝に行ってみたいと思います」との発言について、既に具体的な準備を進めていると明らかにした。

前澤氏はISSに滞在し、高度400キロの宇宙空間を飛行する中で「ここまで来たら、深海にでも潜ってみようかなと思っています。(地球の)上下に行ってみようと」と語り、エベレストの標高8848メートルを上回る、地球で最も深い水深1万メートル超のマリアナ海溝への潜水を目標に掲げた。会見で、そのことについて聞かれると「どういう潜水艦とか決めています。ある所からお話をいただいて…行きます!と」笑みを浮かべた。

ISSへの渡航は約7年前に、宇宙開発を手掛けるロシアの国営企業ロスコスモスと提携した米国の宇宙旅行会社スペースアドンチャーズからオファーを受けて実現したものだった。深海への潜入も同様に、いずれかの団体からオファーを受け、水面下で話を進めていると明言した。

前澤氏は、21年12月8日午後12時38分(日本時間同4時38分)に、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた、ロシアの宇宙船ソユーズMS-20に乗り込み、宇宙に向かった。打ち上げから約6時間後の同6時48分(同10時48分)に、ソユーズはISSとのドッキングに成功。8日午後9時11分(日本時間9日午前1時11分)に双方がつながったハッチが開けられ、前澤氏らはISS内に入った。そして同20日午前8時52分にソユーズはISSとのドッキングを解かれ、宇宙空間に飛び立ち、期間の途についた。同午後12時13分に帰還モジュールはカザフスタンの平原に着陸し、地球に帰還し、同23日に帰国した。元TBS記者の秋山豊寛氏以来31年ぶり2人目の日本人の商業宇宙飛行となった。