オーストラリアやスウェーデンのチームでプロとして活躍した元サッカー選手でコーチのアイルランド国籍の男(29)が21日、アイルランド・ダブリン発米ニューヨーク行きの飛行機内でマスク着用を拒み、客室常務委員らに臀部を露出した容疑で逮捕、起訴されたことが明らかになった。有罪が確定すれば禁錮20年の実刑となる可能性があるという。

米USAトゥデイ紙によると、シェイン・マキナニー被告は今月7日にフロリダ州のサッカークラブで働くために渡米したデルタ航空機内でマスク着用を再三にわたって拒否した挙句、手にした飲み物の空き缶を前の席に座っていた乗客の頭に投げつけ、ズボンと下着を下ろして乗務員と周囲の乗客に尻を見せるなどし、故意の暴行や威嚇した罪に問われている。2万ドル(約220万円)の保釈金を支払って釈放され、今後は裁判が控えているという。

英デーリー・メール紙によると、エコノミークラスに搭乗していた同被告は、ファーストクラスに移動して乗務員に機内食について文句を言い、話し合いをしようとしたパイロットにも自身の野球帽をかぶせたり、こぶしを顔に近づけ「触るな」と威嚇し、着陸時には通路に立ったまま着席を拒否するなど8時間のフライトで迷惑行為を繰り返していたという。酒に酔っていたのかどうかは不明で、弁護士からコメントは出されていない。

コロナ禍以降、旅客機内での迷惑行為や暴行が急増している米国では、昨年1年間で5000件以上の同様のトラブルが報告されており、そのうち7割近くがマスク着用を拒否するものだったという。

最近もデルタ航空の機内でマスク着用を巡る客同士のトラブルから米国人女優が高齢男性を平手打ちし、唾を吐きかける事件が起きたばかりだった。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)