将棋の史上最年少4冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・棋聖=19)が渡辺明王将(名人・棋王=37)に挑戦する、第71期ALSOK杯王将戦7番勝負第2局が22、23両日、大阪府高槻市の温泉旅館「山水館」で行われ、後手の藤井が98手で渡辺を破った。開幕から2連勝を飾り、史上4人目&史上最年少5冠まであと2勝とした。完勝を示す人工知能(AI)の「藤井曲線」が描かれた。第3局は29、30日に栃木県大田原市で行われる。

◆全8冠制覇は? 現在、将棋界のタイトルは8つある。藤井が王将を奪取し、来期、保持する叡王、棋聖、王位、竜王の4冠を全て防衛。さらに王座、棋王を獲得すると7冠到達。残るは名人戦。現在の順位戦B級1組から来期A級に昇格し、1期目で挑戦権を獲得すると、23年上半期に前人未到の「全8冠制覇」が実現する。

◆王将戦 1950年(昭25)に一般棋戦として創設。翌年からタイトル戦に。8大タイトル(竜王・名人・王位・王座・棋王・叡王・王将・棋聖)の序列7番目。1次予選、2次予選はトーナメント。2予の勝ち上がり3人と、シード棋士4人の計7人による総当たり戦を例年9月から年内に開催して挑戦者を決める。同星の場合は原則、順位上位の2人によるプレーオフ。2日制の7番勝負は例年1~3月に、全国を転戦する。1996年(平8)開催の第45期には、羽生善治6冠が谷川浩司王将に4連勝。5年前にタイトル戦となった叡王を除き、当時あった7大タイトル全制覇を達成した。