政府は新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」による感染急拡大を受けて24日、18道府県に「まん延防止等重点措置」を追加適用する方針を固め、25日に正式発表する見通しとなった。岸田文雄首相は北海道、青森、山形、福島、栃木、茨城、静岡、長野、石川、大阪、京都、兵庫、岡山、島根、福岡、大分、佐賀、鹿児島の18道府県から適用要請を受け、関係閣僚と協議を行った。

25日に専門家らによる基本的対処方針分科会に諮問し、了承を得た上で国会報告、岸田首相が座長を務める政府対策本部で正式決定する。すでに適用中の16都県と合わせ、34都道府県に拡大することになる。

34都道府県に同措置が適用されれば、9日に広島、山口、沖縄の3県に適用されてから早くも16日後に全国約7割の地域で飲食店の営業時間や酒類提供が制限されることになる。松野博一官房長官は「今後も全国で感染の急拡大が継続する恐れがある、と分析されている」と警戒感を示した。

岸田首相は衆院予算委員会で「予防、発見、早期治療の流れを強化し、オミクロン株の特性を踏まえた、メリハリの利いた対応を進める」などと強調したが、分科会の尾身茂会長は同委員会の質疑で「今後状況が悪化すれば、さらに強い対策が必要になる」と指摘する。事態の悪化は止まらない。感染拡大によって医療提供体制が切迫すれば、昨年9月以来となる緊急事態宣言を発令する可能性も出てくる。【大上悟】