将棋の藤井聡太竜王(王位・叡王・棋聖=19)が渡辺明王将(名人・棋王=37)に3連勝した、第71期ALSOK杯王将戦7番勝負第4局(東京都立川市「SORANO HOTEL」)は11日午後6時、手番だった後手の藤井が封じ手を行い、初日を終えた。

午前9時からの2日制で始まった対局は、かど番の渡辺が角道を開けて矢倉に誘導した。バランスを重視した藤井は、急戦でも持久戦でも対応できる形にした。午後0時30分の昼食休憩まで61手と、ハイペースで進んだ。

午後1時30分の再開後はがくんとペースが落ち、わずか10手しか進まなかった。お互いに金2枚で玉を守り、角と飛車でにらみを利かせている。いつ激しい戦いになってもおかしくない。盤上は、風雲急を告げる終盤戦だ。

得意戦法に望みを託し、4年連続6期目の獲得を狙う渡辺は、2日制7番勝負での4連敗はない。意地を見せたいところ。初の王将奪取と史上最年少5冠まであと1勝としている藤井は、じっくりと盤面に集中していた。

対局は12日までの2日制。持ち時間は各8時間。12日午前9時から再開され、同日中に決着の見込み。【赤塚辰浩】

【王将戦7番勝負対局VTR】

◆第1局(1月9、10日、静岡県掛川市「掛川城 二の丸茶室」) 相掛かりとなった開幕局は、最終盤まで優劣不明のまま双方1分将棋の熱戦に。先手の藤井が最後に寄せ切り、139手で先勝。掛川対局6戦6勝の渡辺に土をつけた。

◆第2局(1月22、23日、大阪府高槻市「山水館」) 後手藤井が角換わりから、2日目に入って一気に攻めかかる。ほぼ一直線の「電車道」で午後4時15分、98手で圧勝。

◆第3局(1月29、30日、栃木県大田原市「ホテル花月」) 1局目同様、相掛かりの出だし。わずかにリードしていた後手渡辺が攻めあぐねたのに対し、20手以上の詰み筋を読み切った藤井が終盤の難解な攻防から抜け出し、135手で3連勝。