将棋の史上最年少5冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=19)が9日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた第80期順位戦B級1組最終戦で佐々木勇気七段(27)を下し、リーグ成績10勝2敗のトップでA級初昇級を果たした。

敗れた佐々木は角換わりから積極的に仕掛けた。5年前に竜王戦決勝トーナメントで対戦したときは、その前の藤井の対局を見学に来ていた。今回は作戦を練ってきた。「戦いながら手を尽くして行くという難しい戦法をぶつけてみたかった」。口ぶりから周到な準備が感じられた。作戦勝ちにもみえた。

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中~終盤は藤井にしっかり対応された。「手応えのある指し手で『勝ちかな』と思った局面で、実は負けだった。全体的に読みで上回られて、気が付いたら負けになっていました。自分なりに考えて指したので、悔いの残る手もない。全力を尽くした結果」と振り返った。