25日のプロ野球セ・パ両リーグ同時開幕を前に、巨人-中日戦が行われる東京ドームがある水道橋駅周辺の飲食店でも、“満員御礼”に期待が膨らむ。今季は3年ぶりに観客動員数の上限撤廃が決定。東京都は21日で「まん延防止等重点措置」が解除され、都の認証店では営業や酒類提供時間の制限が解けた。「リバウンド警戒期間」として陰性証明書などの提示がなければ「4人以内、2時間以内」の要望はあるが、感染防止対策をしたうえでの「野球観戦前後の会食」が戻ってきそうだ。

都営地下鉄水道橋駅近くの居酒屋「いつも元気さなや」大久保裕二店長(61)は24日、「5000人とか1万人(の入場制限)とかもあって、野球ファンのお客さんは5割以上減った。球場に行く前、帰りに寄ってくれる人が増えてほしい」と願った。滞在時間が短くても満喫出来る30分500円の飲み放題も好評を得ている。巨人カラーのオレンジ色を基調とした看板やのれんに加え、店内では大型テレビで観戦も可能。「菅野(智之)投手がオープン戦では調子が悪かったけれど、開幕にしっかりあわせてくれると思う」とし、“エース”メニューには「チキン大判岩塩焼き」を推した。

JR水道橋駅西口近くの大串もつ焼き店「加賀谷水道橋店」の鎌田和浩店長(50)も「周辺の店の約3分の1が閉店してしまった。水道橋は東京ドーム頼りで大きな影響がある」と巻き返しを期す。「(義父の)社長が阪神ファンなので言いにくいのですが、巨人に勝ってもらうと客足は当然伸びますね」と複雑な表情も。店内には阪神グッズや出井利昭社長(80)お気に入りの金本知憲氏のタオルや写真が飾られ、阪神ファンも集う場所だ。出井社長は「今年は4番になった佐藤輝明選手が打って、優勝してもらわないとね」。現役バリバリの80歳が手掛ける、ブタのハラミを特製にんにく味噌に漬けた串焼き「スタミナ」が店の“主砲”で、佐藤輝同様のパンチ力が魅力だ。【鎌田直秀】