将棋の藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=19)が2年連続2度目のMVPに輝いた。1日、都内で行われた第49回将棋大賞選考委員会で、1年間の活躍を高く評価された。

藤井竜王は昨年7月に棋聖戦で渡辺明名人(37)に3連勝してタイトル初防衛を果たすと、8月には王位戦で連続防衛した。それまで6連敗をはじめ、対戦成績で負け越していた豊島将之九段(31)の挑戦を4勝1敗で退けた。

挑戦者として臨んだ叡王戦では、9月に最終第5局までもつれる接戦の末、豊島を3勝2敗で下して奪取。11月には竜王戦でも豊島に4連勝してタイトルを奪った。今年の王将戦でも渡辺王将に4連勝。将棋界最年少の19歳6カ月で5冠となった。順位戦でも、B級1組から名人戦への挑戦者争いに加わるA級昇級を決めた。

記録部門で藤井は、最多対局賞(64局)と最多勝利賞(52勝)を獲得。勝率は2位の8割1分3厘(52勝12敗)だったが、5年連続で勝率8割超えと、自身の最多を更新している。連勝も2位の「19」だった。

52勝のうち、タイトル戦で18勝。頂上対決での白星は重みが違う。挑戦者として勝ち上がった竜王戦でも、5年連続でランキング戦優勝の快挙を達成した。前期リーグ陥落となった王将戦も、2次予選から勝ち上がってリーグに復帰してのタイトル獲得と、積み重ねた勝ち星の価値が高い。

1974年(昭49)から始まったこの大賞は、棋戦主催各社などで構成され、選考年度を対象に最優秀棋士賞以下、各賞が贈られる。