社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」が21日、最新DVD「ザ・ニュースペーパー LIVE2021」を20日に発売したことを記念して、都内で特別コントを披露した。

コントではメンバーが岸田文雄首相、菅義偉前首相、小池百合子都知事、トランプ前米大統領らのものまねをして社会風刺ネタを披露。土谷ひろしは、政界以外から藤井聡太5冠に扮(ふん)して登場。石破茂元自民党幹事長をまねた福本ヒデと、夏の参院選を前に各政党のイメージを将棋の駒に例えて笑わせた。

土谷は「政権与党の自民党は『金』だと思います」と切り出し、「将棋においても要の駒。もっと言えば自民党は“カネメ”の政党でしょうか。カネを表でも裏でも使えることが強みかなと思っています」と皮肉った。続けて、立憲民主党を「銀」に例え、将棋では攻めの駒であることを説明。「国会中継で攻撃しているところを拝見しています」とし「攻撃が銀だけで単調です」。その上で「歩が1枚でもいればもっと多彩な攻撃ができるんですが、残念なことに今の立憲民主党は歩がいない(ふがいない)」と笑わせた。

土谷は共産党を「香車」に例え「1本筋が通っていて融通が利かない」。日本維新の会は「桂馬」とし「独特の動きが特徴」と続けた。野党でありながら予算案に賛成した国民民主党は「歩」と表現。「侮ってはいけない駒。簡単に取られて相手の持ち駒となる」と展開した。

福本から大駒の「飛車・角」となる政党が挙がらないことを問われると「現在の政界は飛車角落ち。小駒で戦っている。以前でしたら自民党に田中角栄さんという“角”がいらっしゃった」と答えた。対して福本は、れいわ新選組の山本太郎代表を飛車に例え「衆院議員を辞めて参議院選に出るんだよ。すごい。飛車は飛車でも“高飛車”」と説いて、会場を盛り上げた。

メンバーはコントを終えて舞台上に並んだ。この日、松下アキラはレパートリーの1つであるプーチン大統領のものまねを披露しなかった。報道陣からロシアとウクライナ情勢をふまえたネタの構成にしたのかを聞かれ、山本天心が「戦争は今笑うべきではない。この愚か者をいつか笑いで、(たたき)のめしたいという思いはある」と力を込めた。【沢田直人】