ロシア国営テレビ「第1チャンネル」に出演する著名ジャーナリスト、ウラジミール・ソロヴィヨフ氏(58)が、自身が司会を務める番組でウクライナへの特別軍事作戦は新たな段階に入っているとの考えを示し、今後は欧州と北大西洋条約機構(NATO)加盟国も戦争に巻き込まれるだろうと語った。同氏は6人のゲストを前に、クレムリン(ロシア大統領府)にとってもはやウクライナ侵攻だけでは十分ではないと語り、ウクライナでの戦争が終わった時に英国と米国を含むNATO30カ国は自分たちの国を守るのに必要な武器を持っているだろうかと脅しとも取れる発言をしたと、複数の欧米メディアが伝えている。

英語の字幕が入った番組の動画をSNSで公開しているジャーナリストもいる中、同氏は「私たちは事実上、NATO諸国との戦争を始めています。私たちはNATOの兵器とNATO諸国の市民を粉砕します。ウクライナが非ナチ化されるだけでなく、欧州と世界に対して私たちは異なる行動をとり、もっと無情に行動しなければならないだろう」と述べ、慈悲はないと全面戦争の可能性について言及している。

プーチン大統領の支持者で政府のプロパガンダを番組で伝える役割を担う同氏は「プーチン大統領の声」として知られ、EUの経済制裁対象となっており、イタリアのコモ湖にある不動産が差し押さえられている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)