北海道・知床半島沖で乗客乗員26人を乗せた観光船「KAZU I(カズワン)」(19トン)が遭難し、11人が死亡、15人が行方不明となった事故で「知床遊覧船」の桂田精一社長(58)が会見で一時漏らした同社の「安全管理規定」を順守していれば、本来は出航できない状況だったことが28日、分かった。
27日行われた運航会社「知床遊覧船」斜里町桂田精一社長(58)の記者会見では、23日の出航を決めた経緯については、当日午前8時に豊田徳幸船長と打ち合わせた上で、午後から天気が変わる可能性があるものの、午前10時時点で豊田船長から出航可能の報告があったと説明していた。
23日の斜里町の天気予報について、網走地方気象台では23日午前3時9分に強風注意報を発令し、出航直前の午前9時42分には波高3メートルの波浪注意報も出ていた。網走地方気象台などによると、斜里町が含まれる網走東部の地域では海上で風速15メートルの強風が予想される場合に強風注意報、波高3メートルが予想される場合に波浪注意報が発出される。桂田社長が会見で一時は説明した知床遊覧船の安全管理規定(波1メートル以上で欠航、風速8メートル以上で欠航、視界が300メートル以上ないと出航できない)をじゅん守すれば、未明から、すでに出航不可能な状況で、出航直前にさらに状況が悪化していたことになる。出船可否を探っていた他漁船などは、この予報で出船を断念していた。【寺沢卓】

