北海道・知床半島沖で乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU I(カズワン)=19トン」が遭難し、14人が死亡、12人が行方不明となった事故から8日目を迎えた30日、被害者家族らへ海上保安庁などから、現在の捜索状況などについて説明された。

29日午前に「カシュニの滝」付近の沖合、水深約120メートルの海底で船体が見つかってから丸1日。この日も海上保安庁の巡視船をはじめ複数の船やヘリコプターなどが動き、捜索が行われている。捜索状況などの説明には20人ほどの家族らが耳を傾けた。事故発生から1週間が経過。家族らの様子に国土交通省坂巻健太大臣官房審議官は「やはりお疲れのところをお見受けします。その中でいろんな要望がございますので、なるべく応えていきたいと考えております。(説明が)『足りないぞ』ということは言われておりますので。正直(運航)会社がやるべき話がかなり多いのですけれども、それができていないので、そこを我々がカバーをどうするか」と口にした。

家族らからは、船体引き揚げについての質問も飛んだ。これに対し、第一管区海上保安本部警備救難部横内伸明次長は「仮に引き揚げることがあるとして、一般的に引き揚げを実施する場合にどれぐらいの期間がかかるのか、ということはご説明させていただきました。ご家族の方もずっとここ(斜里町)に残っていらっしゃるので、ずっとこのままここにいるべきなのかなどいろいろご事情があると思います。一般的なサルベージ(沈没した船の引き揚げ)とか、そういうものでやる時の、大体このようなものですというのはご説明した」と話した。

運航会社「知床遊覧船」(斜里町)桂田精一社長(58)と、船体引き揚げに関して具体的に調整を進めているのか、との報道陣の質問に坂巻審議官は「まだないですね」と進展はないことを明かした。