ロシアのプーチン大統領の愛人とされる2004年アテネ五輪新体操女子金メダリストのアリーナ・カバエワさん(38)が、ウクライナ侵攻を巡って欧州連合(EU)の対ロシア制裁リストに名を連ねる可能性が浮上した。

米ニューヨーク・ポスト紙などによると、プーチン大統領と親しい関係にあるカバエワさんはEUで議論されている制裁案の第6弾に名が含まれているという。制裁対象リストに加えるには27加盟国が全会一致で通過する必要がある。制裁対象となると、欧州での資産が凍結されるほか、EUへの入国が禁止される。

カバエワさんを巡っては、バイデン米政権もプーチン大統領の資産隠しに加担している可能性があるとして制裁対象とすることを検討したが、米国とロシアの緊張を高め、攻撃的な対応をする恐れがあるとして直前に保留したとウォールストリート・ジャーナル紙が伝えていた。

プーチン大統領は前妻とまだ婚姻関係にあった2008年にカバエワさんとの関係がメディアで報じられるも、これまで一貫して愛人関係にあることを否定している。カバエワさんは現役引退後は、現与党の統一ロシアから下院議会選挙に出馬して当選。議員を8年間務めて14年に議員職を退き、現在はナショナルメディアグループの代表を務めている。

2人の間には7歳の双子の娘の他、2人の息子がいると言われており、カバエワさんと子供たちは中立国スイスで暮らしていると伝えられている。ニューヨーク・ポスト紙は、カバエワさんの現在の年収はおよそ1000万ドル(約13億円)だと伝えている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)