歴代の大統領バーガーで人気な神奈川県横須賀市の「TSUNAMI」では23日、ジョー・バイデン大統領初来日の影響で「バイデンバーガー」の注文が殺到した。飯田茂社長は「お客さんも反応がとても良いです。普段の日(平日)より入っているし、おかげさまでこの土曜、日曜もたくさん来ていただいた。やはりバイデンバーガーを頼んでいただけるお客さまが多いです」と“バイデン景気”に感謝した。

だが、少しだけ悔しい思いも明かした。「本当はバイデン大統領にバイデンバーガーを食べてほしかった。迎賓館でもどこへでも行って、作って、食べていただいて、『おいしいね』の言葉をいただけることが夢ですね」。次回の来日時の実現を熱望し、「(横須賀市が地元の)小泉進次郎議員に今からお願いしておかないと」と本格的に動き出す予定だ。

同店はワシントン、レーガン、オバマ、トランプ、バイデンと、大統領ゆかりの地などの名産などを食材にオリジナル大統領バーガーを発案、提供してきた。バイデンバーガーは20年11月5日の大統領選中に誕生。バイデン氏の出生地フィラデルフィア州で有名な牛肉やタマネギなどを使用したフィラデルフィアステーキサンドを参考に、約200グラムの分厚いパテとフィラデルフィアクリームチーズたっぷりな総重量約600グラムの逸品だ。

同店をコロナ危機からを救ったのも歴代の大統領バーガーだ。一時は売り上げが約7割減だった。米海軍基地と京急汐入駅を結ぶ「どぶ板通り」にある本店のごく近くに、昨年12月末には支店の「TSUNAMI BOX」も新規オープンし、米国人や地元客、観光客も戻りつつある。現在は支店をメインに、本店は土日祝祭日のみ営業。「コロナ中も従業員をクビにせず、やって来られたのは大統領シリーズのおかげ。ゴールデンウイークには過去最高の売上額を出せた日もありました」。米海軍基地、よこすか海軍カレー、ヨコスカネイビーバーガー、チェリーチーズケーキなど異国情緒にもあふれる横須賀の町。「これからもアメリカと日本の文化がある独特な町にふさわしい物を提供し続けたい。人と食のつながりは深いですから」。近い将来、日米首脳がスカジャンを着ながら大統領バーガーをほおばる外交実現となるか。【鎌田直秀】