千葉市動物公園(千葉市)の「立つレッサーパンダ」として知られるレッサーパンダ風太(オス18歳)が9日、54日ぶりに姿をみせた。4月16日から食欲がなくなり、大好物のリンゴを初めて残した翌17日から展示を休止していた。

展示再開となった9日は開園の午前9時30分から室外に出て1時間ほど歩き回って、その後張り切りすぎたのか日陰になる壁にもたれかかって、ぺたんと腰をおろして静かにしていた。レッサーパンダのエリアには朝から多くのファンが詰めかけた。

歩いて20分の場所に住んでいる飯島秀吉さん(43)と妻香織さん(43)と長女めいちゃん(3)も立ち寄り、「お散歩がわりによく立ち寄ります。必ず風太くんにあいさつしますが、今日が復帰日だったんですね。静かにしているけど、元気そうでよかった」と喜び、めいちゃんも「風太くん、大好き」と手を振っていた。

飼育担当の水上恭男さんは「3月は換毛期(体毛の生え替わりの時期)だったので、飲み込んだ毛が腸にたまって便になって輩出されにくくなっていたんですね。5月末に食欲も戻ったので、展示再開に至りました」と説明。9日の動き回る様子を見て「暑いのは苦手なので、涼しかったのが良かったのか、動きまわっていましたね。ちょっと歩くときにヨタヨタしますが、もう少ししたら毛も生えそろって、元気な風太をご覧いただけると思います」と目を細めた。

人間の年齢でいうと80歳を超える“おじいちゃん”で最近は2本のうしろ脚で立つこともなくなった。鏑木一誠園長は「風太も7月5日には19歳になる。うしろ脚で立つことで知られるようになりましたが、静かにしている風太も元気ですので、ぜひ生の姿をご覧ください」とアピールした。【寺沢卓】