将棋の羽生善治九段(51)は16日、大阪市の関西将棋会館で指された第81期名人戦順位戦B級1組の1回戦で山崎隆之八段(41)を破り、前人未到の公式戦通算1500勝を達成した。プロ入りから36年5カ月、51歳8カ月での将棋界初の快挙だった。通算成績は1500勝654敗、勝率6割9分6厘。今年4月に新たに創設された「特別将棋栄誉敢闘賞」が贈られる。

将棋界で数々の記録を塗り替えてきた羽生が、また新たな金字塔を打ち立てた。終局後、羽生は「随分長く棋士をやってきたと実感した。1つ1つの積み重ねの中で、節目を迎えることができてうれしく思います。これで終わりということではなく、変わらず前を向いて進めていけたらいいなと思います」と話した。

羽生は10代から第一線で戦い続け、白星を重ねてきた。07年には1000勝、96年には史上初の全7冠制覇、19年には「昭和の巨人」だった大山康晴15世名人の記録を抜く、歴代最多の通算1434勝を達成した。前期は29期(名人9期含む)在籍したA級で降級。今期は30年ぶりにB級1組で開幕を迎えた。A級復帰を狙う初戦で節目となる白星を挙げた。会見では「新たなスタイルを確立できたらいいなと思います」。つぎの大きな目標は、前人未到の通算タイトル100期だ。【松浦隆司】