第26回参院選(7月10日投開票)は24日、選挙戦3日目を迎えて与野党党首や幹部らが激戦区を中心にテコ入れに動いた。改選6議席に34人が乱立する東京選挙区は、小池百合子都知事が荒木千陽ファーストの会代表の応援にフル回転している。公務を終えた小池氏は東京・JR蒲田駅前で衆院議員時代に約6年、秘書を務めた荒木氏を「相棒」と紹介して「彼女のようなパワーを使わないのはもったいない」と訴えた。

小池氏は公示前から荒木氏の街頭演説や決起集会にひんぱんに登場し、25日も都内2カ所で街頭演説に駆けつける予定。選挙戦の最前線に立ち続けるのは愛弟子が厳しいサバイバルに直面しているからだ。

東京選挙区は立憲民主党の蓮舫氏、自民党の朝日健太郎氏、公明党の竹谷とし子氏、共産党の山添拓氏の現職4氏と、自民新人でアイドルグループ「おニャン子クラブ」の元メンバーのタレント生稲晃子氏が組織力で優位とみられており、残る1議席を巡る戦いが激化すると予測されている。

国政復帰が、くすぶる小池氏にとって以心伝心の荒木氏を国政に送り込むことは大きな意味を持つ。その荒木氏のネックは知名度。街頭演説でも小池氏の不在時は聴衆が少ない。「小池さんが、どれだけ応援に入っていただけるか」と荒木選対の都民ファ都議は「小池劇場」に期待を寄せ、かつて小池氏が代表を務めた希望の党に所属した現職国会議員は「荒木さんの当選は小池さんが国政に復帰するようなもの。また騒がしくなりそうだ」と「小池劇場」の動向を注視する。

れいわ新選組の山本太郎代表も背水の陣だ。「一瞬も気が抜けないという状況がこのまま続くんだろうと思う。(他の)れいわの候補者の応援に入りたいという気持ちはあるんですけど、ここ東京を落としてしまえば元も子もない」と危機感をあらわにした。

日本維新の会は東京進出と党勢拡大を海老沢由紀氏に託し、立民は前回2016年に100万票以上を獲得してトップ当選した蓮舫氏の組織票を松尾明弘元衆院議員に分配してダブル当選を狙う。無所属ながら知名度の高い乙武洋匡氏が、どこまで食い下がるか。自民1強で低投票率が予測される中、首都決戦はさらにヒートアップしていく。【大上悟】