将棋の里見香奈女流4冠（30＝女流王座・女流王位・女流王将・倉敷藤花）が28日、プロ棋士編入試験を受験することを表明した。

日本将棋連盟を通じ、「この度、棋士編入試験受験申込書を提出致しました。全力を尽くしますので、静かに見守って頂けると幸いです。よろしくお願い申し上げます」とコメントを発表した。

編入試験は新人の棋士5人と対戦、3勝で合格となる。将棋のプロは棋士と女流棋士がいて制度が異なり、棋士になるには養成機関の奨励会を卒業するか、編入試験合格が条件。里見が合格すれば、史上初の女性の棋士が誕生する。

里見は5月27日、棋王戦予選決勝で古森悠太五段（26）を破り、女流棋士として史上初のタイトル戦の本戦に進出すると同時に、プロ棋士相手の直近公式戦成績を10勝4敗とし、プロ編入試験を受けるのに必要な「最近の公式戦で10勝以上、かつ勝率6割5分以上」の条件を満たし、女性で初めて受験資格を得たが、受験するかどうかは態度を保留していた。

終盤の鋭さから「出雲のイナズマ」と呼ばれる里見は島根県出雲市出身。女流タイトル獲得は最多の48期を誇る。女流棋士として活躍する一方で、奨励会最高段位の三段まで昇段したが、18年3月に26歳の年齢制限のため退会した。

受験するにはプロ編入試験の受験資格を得て1カ月以内に日本将棋連盟に申請する必要があり、里見は6月24日に連盟に申請した。受理月の2カ月後から若手プロ棋士との5番勝負（1カ月に1局）が行われる。　第1局は徳田拳士四段、第2局は岡部怜央四段、第3局は狩山幹生四段、第4局は横山友紀四段、第5局は高田明浩四段に決まった。