街頭演説をしていた自民党の安倍晋三元首相(67)が元海上自衛隊員の職業不詳山上徹也容疑者(41)に銃撃された奈良市の近鉄大和西大寺駅北口は、事件発生から約5時間半が経過した午後5時をすぎても騒然とした雰囲気に包まれたていた。

上空にはヘリコプターが飛び、海外の通信社も含め、大勢の報道陣が詰めかけた。警察による現場検証が進み、金属探知機のようなもので生け垣などを入念に調べていた。

心配で現場を訪れたという奈良市在住の70代女性は「奈良でこんなにも恐ろしい事件が起きるとは思ってもいなかった。ラジオでニュースを聞いて、いてもたってもいられなくなって来ました。安倍さんにはどうかご無事でいてもらいたい」と話していた。

帰宅途中の男子高校生は「たくさんの人が集まっているので、何事かと思った。まさか、事件現場がこんな近くだとは思ってもいませんでした」と驚いた様子だった。

午後5時15分頃には規制が解除され、安倍元首相が撃たれた現場の血痕を捜査員が洗い流していた。

現場は大和西大寺駅前で、近くには平城宮跡がある。