世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る問題で政界が揺れている。自民党の茂木敏充幹事長は26日の記者会見で「自民党として組織的に関係がないことをすでに確認している」と関連を否定した。その上で「個々の議員について社会的に問題が指摘されている団体との関係は国会議員としての立場を踏まえ、厳正かつ慎重であるべきと、さらに注意を促していきたい」と述べた。また議員への聞き取り調査などについて「党としては一切、関係ございません」と重ねて否定的な見解を示した。

与野党の複数議員が旧統一教会と関係のある団体のイベントに参加したり、寄付を受けていた実態が相次いで明るみとなった。自民党の岸信夫防衛相は、この日の会見で過去の選挙の際に旧統一教会に所属する人物から支援を受けたことを明らかにした。岸氏は「何人かと付き合いがあり、メンバーの方にボランティアとしてお力を頂いた。(投票を呼びかける)電話作戦などはあったと思う」とし、「選挙なので、支援者の数が多く集まることは必要なことだと思っている」と説明した。

岸氏は8日に銃撃されて死去した安倍晋三元首相の実弟。殺人容疑で送検された無職山上徹也容疑者は母親が旧統一教会に多額の寄付をして「家庭が崩壊した」などと供述している。野党でも国民民主党の玉木雄一郎代表が世界平和統一家庭連合の機関紙である「世界日報」の元社長から計3万円の寄付を受けていたことを明かしている。

与野党の対応は割れている。立憲民主党はこの日、党所属の国会議員、自治体議員(いずれも現職)などに対して旧統一教会からの寄付や、献金、選挙活動への支援などの関係について実態調査の実施を決定。西村智奈美幹事長は「今週末までに報告をお願いする」とした。共産党もこの日、旧統一教会の活動実態や政界と関係を解明する「追及チーム」の第2回会合を開いた。立民、共産は追及姿勢を強め、政界の波紋はさらに広がりそうだ。